清算とは会社を終わらせることで、決算年度は株主総会で解散を決議したとき、または解散を登記したときで区分されます。
そして会社の経理は
解散の日から従前の取得原価(簿価)主義から総資産主義に変わるということです。つまり会社が継続されている段階では、個々のものの取得原価をもとに個々の損益を算出していますが、解散後は借り方貸し方の全部の資産を再評価し、実際の価格で換価し、その損益(残余財産)である清算所得がプラスであれば資本金額等を控除した金額に対し法人税等計51%の課税がなされるということです。もちろん従業員退職金および清算業務費用等、清算に必要な経費は認められます。
また決算期についても解散から清算結了までを清算事業年度とし、何年かかろうと1期となります。
しかしこの難点としては清算を引き伸ばし課税対象である残余財産からより多く分配されてしまうことを防止するため、清算事業年度内といえども従前の決算期に従前の取得原価主義で、更に残余財産の分配時にその都度、申告し税金の予納を義務付ける制度があります。
この予納金は清算所得次第で、いずれ清算終結時に還付されますが、担保権者については当該不動産の売却時に無条件で弁済させられるとしても優先債権である。労務債権ならびにある配当率での一般債権者に対する弁済に支障をきたしますので、内容によっては終結を急がざるを得ないことになります。
以上は、債権者との話合いによる任意整理を前提に述べましたが、なかには債権者との話合いが不調となることもあり、任意整理の過程での一便法として法的手続きを要することもあります。
このように清算という手法に踏み切ることにより、退職金を確保したり、法人税を軽減させたりすることができるということをお伝えしたかったわけです。
これらを駆使することで必ず良い方策が見つかる筈だと考えています。
なお最初の段階で任意整理が困難だと判断された場合、自己破産、民事再生法、商法の特別精算、会社整理等の法的手段を用いることとなりますが、内容によっては会社売却、会社分割、会社合併、(第二会社乗換え)、(不動産M&A)の方法も考えられます。
このことは事業再生の欄をご覧下さい。
この場合は、専門の税理士、弁護士、不動産鑑定士、不動産業者等の各専門分野の先生方がそれぞれの役割分担の下にチームを組み、かつ、これを統括する専門のターンアランドマネージャーを必要とします。